『ぬらりひょんの孫』は打ち切りなのか?完結までの経緯と25巻の中身

『ぬらりひょんの孫』は打ち切りなのか?完結までの経緯と25巻の中身

情報確認日:2026年5月17日。原作漫画の最終回(第210話)および単行本第25巻の描き下ろし内容に触れます。

『ぬらりひょんの孫』は打ち切りで未完のまま放棄された作品ではありません。物語は全210話、単行本全25巻で完結しています。宿敵・安倍晴明との最終決戦も描かれ、主人公リクオの勝利と大団円で幕を閉じました。

ただ、週刊少年ジャンプ本誌での最終話(第207話)だけを追っていた人にとっては、話が違います。第207話では、奴良リクオ率いる百鬼夜行が葵螺旋城へ出陣するまさにその場面で本誌が終わっており、本誌だけ追っていた読者にとっては最終決戦が始まる直前で物語を取り上げられた格好です。この「これからが本番」というタイミングでの終了が、打ち切り説の出発点になっています。

  • 本誌は第207話で終了したが、増刊『少年ジャンプNEXT!』で最終決戦が描かれた
  • 単行本25巻に完結編+描き下ろし番外編5話が収録済み
  • 2023年に15周年スピンオフ『~陰~』全1巻が発売(本編の続編ではない)
目次

第207話「突入前夜」で何が起きたのか

本誌での終了と、その後の完結までの流れを順に追います。

本誌の終わり方と増刊への移籍

『ぬらりひょんの孫』は椎橋寛の初連載作品として、2008年15号から『週刊少年ジャンプ』で連載が始まりました。4年以上にわたって続いた連載は、2012年30号(6月25日発売)をもって本誌での掲載を終えています。

本誌最終話の第207話「突入前夜」は、京都・弐條城での安倍吉平戦を経て、ラスボスである安倍晴明の待つ「葵螺旋城」へリクオたちが乗り込む直前の場面です。晴明は健在、百鬼夜行は出陣態勢。ここで切れました。

同時に集英社は、増刊号『少年ジャンプNEXT!』への移籍と「葵螺旋城 最終決戦編」の掲載を発表しています。コミックナタリー(2012年6月25日配信)でもこの移籍は報じられており、ストーリーを描き切るための前向きな展開として扱われていました。連載枠の事情で本誌から離れたものの、物語の強制終了ではなく続きを別の場で完結させる措置だったことは、当時の報道からも裏付けられます。

本誌終了時の掲載順位が低迷していたことはファンの間で広く知られていますが、集英社や編集部が移籍の具体的な判断理由を公式に説明した記録は見つかっていません。

全210話・25巻で物語はどう閉じたか

増刊『少年ジャンプNEXT!』では2012年SUMMER号から2013年WINTER号(2012年12月28日発売)まで全3回にわたって最終章が連載され、第210話をもって物語が正式に完結しました。

最終決戦の流れはこうです。リクオは晴明の離宮に乗り込み、晴明の母でありながらリクオに協力する羽衣狐とも「鬼纏(おとい)」を行い、すべてのあやかしと人の想いを背負った姿に覚醒。奴良家三代の悲願だった退魔の太刀「祢々切丸」で安倍晴明を打ち破り、数百年にわたる因縁に決着をつけています。

コミックス最終第25巻は2013年3月4日に発売。この増刊掲載分がすべて収録されています。

描き下ろし番外編とリクオ・氷麗の決着

25巻には本編の完結に加え、単行本限定の描き下ろし番外編が5話分収録されています。連載中の紙幅では描き切れなかった後日談や登場人物たちの日常・恋愛描写を補完する内容です。

なかでもファンの間で大きかったのが恋愛面の決着です。25巻の描き下ろしでは、リクオが氷麗(つらら)に対して自分からキス未遂のアプローチをする場面が描かれており、本編中ずっと曖昧だった恋愛面に椎橋寛自身の手で決着がつけられています。家長カナや花開院ゆらとの関係が気になっていた読者にとっても、公式の回答がここに置かれた形です。

初見で第207話だけを読んで「未完」と感じた人ほど、25巻まで読んだときの落差は大きいはずです。

2023年の新作『~陰~』とアニメ3期

完結から10年を経て動きがあった2023年と、アニメの現状について。

15周年スピンオフの位置づけ

2023年4月、連載開始15周年を記念して『ぬらりひょんの孫~陰~』が『ウルトラジャンプ』で短期集中連載を開始しました。5月号から8月号まで全4回の掲載を経て、同年11月17日に単行本全1巻として発売。オリコンニュース(2023年11月17日配信)によれば、この時点でシリーズ累計発行部数は1300万部を突破しています。

収録されている4編は「リクオ、ボディガードをする」「鯉伴と首無」「花開院家の闇」「その後の旧校舎事件」。いずれも本編の隙間を埋める特別正史読切であり、本編第210話以降の新たなストーリーを展開するものではありません。15周年のアニバーサリー企画として予定通り完結しており、ここから長期連載が再開する予定もない状況です。

アニメ続編についての公式発表

テレビアニメは第1期(2010年、全24話)と第2期『千年魔京』(2011年、全24話)が放送済みで、現在もU-NEXTやバンダイチャンネルなど各プラットフォームで配信が続いています。

ただし、原作の「百物語組編」以降を映像化するアニメ3期について、制作委員会や集英社から公式に発表された情報は出ていません。中止声明もなければ、制作進行の報道もない。BS11の番組掲示板やSNSではファンからの3期希望の声が断続的に書き込まれていますが、公式の動きとは別の話です。

将来的にリブートや新シリーズが企画される可能性を否定する材料もありませんが、現時点で確認できる具体的な予定はありません。

よくある疑問

Q. 結局、打ち切りなのか?

本誌から増刊への移籍を「打ち切り」と呼ぶかは言葉の定義次第ですが、ストーリーが未完のまま放棄された事実はありません。最終決戦は描かれ、全25巻で完結済みです。

Q. 25巻だけ買えば完結編は読めるのか?

はい。増刊掲載分の最終決戦編と描き下ろし番外編5話がすべて25巻に収録されています。電子書籍版(ジャンプコミックスDIGITAL)も2013年6月4日から配信中です。

Q. 『~陰~』は本編の続きなのか?

本編の直接の続編ではなく、15周年記念の特別読切集です。本編で語られなかったエピソード4編を収めた全1巻で、2023年11月17日に発売済み。これを読んでいなくても本編の完結には影響しません。

打ち切りではなく、届き方の問題だった

『ぬらりひょんの孫』の打ち切り説は、本誌の終わり方と完結編の掲載先が噛み合わなかったことから生まれた誤解です。物語自体は椎橋寛の手で最後まで描かれ、恋愛面の決着まで用意されています。

本誌しか追っていなかった人は、25巻を手に取れば印象が変わるはずです。

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