『社内お見合い』は打ち切りで終わった作品ではありません。ドラマ版は全12話、原作ウェブコミック『お見合い相手はうちのボス』は本編102話+外伝22話の計124話で、どちらも当初の計画どおりに完結しています。
ただ、ドラマの最終回を見た人ほど「本当にここで終わり?」と感じやすい作品でもあります。テムがハリにプロポーズして桜の道を歩くラストカットは穏やかで、最終回というより途中のエピソードを見終えたような静けさが残るからです。
情報確認日:2026年5月19日。ドラマ版最終回(第12話)および原作コミック最終話までの内容に触れます。
- ドラマ版『社内お見合い』は全12話で予定どおり完結(打ち切りではない)
- 原作コミックは全124話で大団円まで描かれ、電子書籍で全話読める
- 日本版の紙単行本が「1巻完結」と表示されるのは出版流通上の事情
『社内お見合い』が打ち切りと言われる理由は3つある
公式に打ち切りの事実はありません。それでも「打ち切り」で検索する人が多いのは、次の3点が重なっているためです。
- 韓国ドラマの標準的な16話構成に対して、本作が全12話と短めに終わっている
- 最終回の展開がかなり駆け足で、結婚式も描かれないまま幕を閉じる
- 日本版の紙コミックスが1巻だけで止まり、書店サイトに「完結」と表示される
どれも制作トラブルの証拠ではなく、見終わったあと・読み終わったあとに残る「足りなさ」のほうに近いものです。
プロポーズで終わるドラマと、結婚式まで描く原作の差
ドラマ版の最終回では、1年間のアメリカ生活を終えたテムがハリの前に突然現れ、ダグ会長から預かった婚約指輪を差し出します。二人が桜の舞う道を並んで歩くカットでそのまま終幕。結婚式もウエディングドレスも登場しません。
一方、原作コミック『お見合い相手はうちのボス』には本編完結後に22話分の外伝があり、結婚式や新婚生活、周囲のキャラクターのその後まで丁寧に描かれています。原作を読んだ人ほど、ドラマ版がプロポーズと桜並木だけで幕を閉じた終わり方に”ここで終わり?”という感覚を持ちやすい構造です。
「全12話」は放送前から決まっていた
『社内お見合い』は2022年2月28日から4月5日にかけて韓国SBSで放送され、同日からNetflixでもグローバル配信が始まりました。全12話という構成は放送開始前の企画段階で確定しており、途中で話数が削られた経緯はありません。
最終回の視聴率は番組最高の11.4%を記録し、Netflixのテレビ番組部門では世界第2位にランクインしています。視聴率の低迷で短縮されたという説は、この数字と矛盾します。
海外のドラマファンフォーラム(Redditなど)では「もともと16話の脚本だったが12話に短縮された」という未確認情報が広まりましたが、SBSやNetflixの公式発表にそうした記載はありません。
キム・セジョンが明かした最終回のカットシーン
主演のキム・セジョン(シン・ハリ役)は、「Kstyle」が2022年4月9日に公開した独占インタビューの中で、最終回のシーンの一部が放送時間の都合でカットされたと語っています。具体的にどの場面が削られたかは公開されていませんが、最終話の展開に駆け足感がある背景に、12話という枠の物理的な制約があったことを裏付ける証言です。
また、「STARNEWS」のインタビュー(kdaisuki.jp掲載)では、最後のプロポーズシーンがすべてアドリブで演じられたことも明かしています。テムが指輪を渡す場面の自然な空気感は、脚本ではなく役者同士のやり取りから生まれたものです。
日本版コミックス「1巻で完結」の正体
紙の単行本だけを追いかけている人にとって、この作品が「打ち切り」に見えるのは無理もありません。日本国内の書店サイトや新刊通知サービスでは、『お見合い相手はうちのボス』が「全1巻・完結」と表示されているからです。
ピッコマでは全124話が最終話まで読める
原作のウェブコミックは、ピッコマの作品ページで「完結」のステータスが付いており、本編102話と外伝22話の計124話すべてが配信中です。コミックシーモアやめちゃコミックなど他の電子書籍プラットフォームでも最終話まで提供されています。
韓国では紙のコミックスも全10巻(本編1〜8巻、外伝9〜10巻)で刊行が完了しています。
紙の単行本だけが止まっている事情
KADOKAWA(FLOS COMIC)から日本版の紙書籍『お見合い相手はうちのボス 1巻』が発売されたのは2021年8月です。しかし第2巻以降は刊行されないまま現在に至っています。
この状態で書籍データベースが「1巻完結」のフラグを自動付与したため、「作品自体が1巻で打ち切られた」と読者が受け取る状況が生まれました。実際には電子書籍で全124話が読める以上、物語が途中で終わっているわけではありません。KADOKAWAが2巻以降を出さない理由は公式に説明されておらず、今後の方針転換があるかどうかも不明です。
| 媒体 | ステータス | 話数・巻数 |
|---|---|---|
| 韓国SBS(地上波) | 放送終了(予定どおり全12話) | 最終回視聴率11.4% |
| Netflix | 全話配信中 | 全12エピソード |
| ピッコマ(電子コミック) | 完結 | 全124話 |
| KADOKAWA(日本版紙書籍) | 1巻のみ刊行 | 2021年8月発売 |
| 韓国版コミックス(紙) | 完結 | 全10巻 |
シーズン2やドラマ続編は出るのか
2026年5月時点で、SBSとNetflixのどちらからもシーズン2の制作に関する公式発表は出ていません。
主演のアン・ヒョソプとキム・セジョンは放送終了後も「MMA 2022」などの授賞式で共演し、SNSにツーショット写真を投稿するなど良好な関係を続けていますが、これはファン向けのサービスであり、続編制作の合意とは別の話です。
正直なところ、ドラマ版は原作の外伝22話分をまるごと省いて終わっているため、「続きを作れる素材はある」と感じる人がいるのは当然です。ただし、最終回のプロポーズと桜並木のシーンはハッピーエンドとしての着地を明確に示しており、物語として宙に浮いたまま終わっているわけではありません。
テムが差し出した指輪とダグ会長の「これを渡すまで帰ってくるな」という言葉で、二人の未来は十分に伝わる終わり方です。結婚式を見届けたい人は、ピッコマで外伝まで読み進めるのがいちばん確実です。

