『IS〈インフィニット・ストラトス〉』は打ち切りなのか?原作と漫画とゲームで事情が違う

『IS〈インフィニット・ストラトス〉』は打ち切りなのか?原作と漫画とゲームで事情が違う

情報確認日:2026年5月19日。原作ライトノベル第12巻までの内容、およびコミカライズ版・TVアニメ・ゲーム版の展開に触れます。

『IS〈インフィニット・ストラトス〉』(以下『IS』)が打ち切りかどうかは、原作小説・漫画・アニメ・ゲームのどれを指すかで答えが変わります。原作ライトノベルは2018年の第12巻を最後に刊行が止まっており、商業出版としては事実上の停止状態です。一方、漫画版は全8巻で円満に完結しています。

噂が繰り返し浮上する背景には、大きく3つの出来事があります。

  1. 原作者・弓弦イズル氏とMF文庫J編集部の確執による2012年の刊行停止
  2. オーバーラップ文庫に移籍したあとも、第12巻(2018年)で再び刊行が途絶えたこと
  3. 公式ゲーム『アーキタイプ・ブレイカー』がわずか8ヶ月でサービス終了したこと

第12巻の末尾で織斑マドカに刺された一夏の安否も、篠ノ之束が明かしかけた織斑プロジェクトの全容も、そのまま宙に浮いています。打ち切りという言葉だけでは収まらない、物語ごと凍結した状態に近いものがあります。

目次

第12巻で一夏が刺されたまま、なぜ7年も止まっているのか

原作小説の停滞には、時期の異なる2つの局面があります。

2012年のMF文庫J離脱と、オーバーラップでの再スタート

最初の騒動は2012年2月頃です。弓弦氏が編集部に対して執筆を拒否したという説がネット上で広まり、秋葉原の書店員を発端に「書店の注文表から書籍データが消えた」と具体的な報告が続きました。公式な打ち切り発表は最後まで出ていませんが、MF文庫J版は第7巻を最後に事実上の刊行停止となっています。織斑マドカや黒鍵の謎は、回収されないまま残りました。

翌2013年、新興レーベルのオーバーラップ文庫への移籍が公表され、新装版(1〜7巻)の再刊行と第8巻以降の新刊が始まりました。一度は復活を遂げた時期です。

原作者が「金にならないからやらない」と語るまで

しかし、オーバーラップ文庫版も第12巻(2018年4月25日発売)で止まりました。最終巻となるはずの第13巻は、発売予定どころか執筆の進捗すら明かされないまま7年が経過しています。

第12巻そのものにも不満の声はありました。全215ページと薄く、箒を狙った「紅椿事件」、篠ノ之束による織斑プロジェクトの真実の告白、そして一夏が織斑マドカに刺されるという衝撃的な展開が、伏線を広げるだけ広げて閉じないまま終わっています。読者レビューでも「内容が薄い」「描写が粗い」という指摘が見られます。

2025年、弓弦氏がこの沈黙の理由を自ら明かしました。「金にならないからやらない」。ネット上に番外編小説を個人公開したうえでの発言で、ライトノベル市場の収益構造への率直な見解として波紋を広げています。

弓弦氏は商業執筆に区切りをつけ、ツイキャスのプロフィールでは「新作執筆中。完結まで書いたら無料公開の予定」と記しています。『IS』第13巻の商業刊行を待つのは、現時点では難しい状況です。

漫画は完結、ゲームは8ヶ月で終了。アニメ3期は作られていない

「インフィニットストラトス 打ち切り」で検索すると一括りに語られがちですが、メディアごとの終わり方はまったく別です。

メディア展開期間状態打ち切りかどうか
原作ラノベ(オーバーラップ文庫)2013年〜2018年(既刊12巻)未完・刊行停止中公式発表なし。事実上の停止
漫画(月刊サンデーGX)2013年〜2020年(全8巻)完結打ち切りではない
TVアニメ2011年(1期)〜2013年(2期)全2期で制作停止3期未制作。原作ストック枯渇
ゲーム(アーキタイプ・ブレイカー)2017年12月〜2018年8月サービス終了早期終了(約8ヶ月)

コミカライズ全8巻は予定通りの完結

結城焔氏が作画を担当したサンデーGX連載のコミカライズ版は、原作第8巻までの内容をベースに構成され、2020年3月19日発売の単行本第8巻で終わっています。IS学園の文化祭が開幕した段階で、一夏とヒロインたちの関係に区切りをつける形です。

連載中はコミックナタリーで表紙企画やお風呂ポスター付録が組まれるなど、手厚いプロモーションが続いていました。ストーリー上あらかじめ定めたマイルストーンに到達したうえでの終了であり、途中で切られたわけではありません。

『アーキタイプ・ブレイカー』終了がIPの終焉を印象づけた

2017年12月5日にリリースされた公式ゲーム『アーキタイプ・ブレイカー』は、TVアニメから4年を経て、新規キャラクターやオリジナルストーリーを追加した大型企画でした。しかしサービス開始から約8ヶ月後、2018年8月27日に全サービスが終了しています。

第12巻の帯でゲームとの連動を大々的に宣伝していた最中の終了告知でした。この早期打ち切りが、『IS』というIP全体が終わったという印象を決定的にしたのは間違いありません。

TVアニメは2011年の第1期で大ヒットしたものの、2013年の第2期では勢いが落ちました。海外ファンの間では「第13巻が出れば3期もあるのでは」と期待する声が根強くありましたが、原作が止まった以上、動きようがない状態です。なお、一部の動画配信サービスに「3期」と読める表記が出ることがありますが、公式に放送されたTVシリーズは2期までです。

第13巻の見通しと弓弦イズル氏の現在

オーバーラップ文庫から第13巻が書籍として出る見込みは、現時点ではほぼありません。弓弦氏自身が商業出版から距離を置く姿勢を明確にしているためです。

ただし、創作活動そのものをやめたわけではありません。ツイキャスでは「お仕事募集中」としつつ「新作を完結まで書いたら無料公開する」と記載しており、商業の枠外で執筆を続けています。なお、同じ「IS」の表記で検索に混ざりやすい桂正和氏の漫画『I”s』(アイズ)は1997〜2000年連載・全15巻完結の別作品であり、本作とは無関係です。

正直なところ、一夏が刺されたまま黒鍵の意味もわからず7年止まっている以上、打ち切りだと受け取る読者が多いのは仕方ないと思います。ただ、メディアによって事情はまったく違いますし、弓弦氏が個人で執筆を続けている以上、物語の結末が商業出版以外の形で出てくる道は残っています。

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