『究極進化したフルダイブRPG』は打ち切りなのか? 小説・漫画・アニメそれぞれの事情

『究極進化したフルダイブRPG』は打ち切りなのか? 小説・漫画・アニメそれぞれの事情

情報確認日:2026年5月18日。原作小説第4巻まで、アニメ全12話、漫画版全2巻の内容に触れます。

『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』は、公式に打ち切りと発表された作品ではありません。ただし、原作小説は2021年7月の第4巻を最後に新刊が出ておらず、アニメも主人公が完全に敗北した状態で終わっています。

噂が広まった理由は大きく分けて3つあります。

  1. MF文庫Jの前に出ていた別レーベル版が1巻で消えた
  2. 原作小説が物語の窮地で刊行停止したまま5年近く経過している
  3. アニメ最終話がバッドエンドで終わり、2期の発表もない

どれも「打ち切られた証拠」ではありませんが、全メディアが中途半端に止まっているように見える状況が、検索を生んでいます。

目次

ノベルゼロ版が消えた過去と、MF文庫J版が止まった現在

この作品の打ち切り説は、実は今のMF文庫J版より前から始まっています。

前身作品が1巻で終わり、設定ごと作り直された

2018年1月、KADOKAWAの「NOVEL 0(ノベルゼロ)」レーベルから『もしも高度に発達したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』というタイトルで刊行が始まりました。著者は同じ土日月氏ですが、主人公の結城宏は「冴えない営業職の社会人」として描かれており、イラストは白井鋭利氏が担当していました。

この初期版は第1巻の発売後に続刊が出ず、事実上の打ち切りです。

その後2020年8月、主人公を高校生に変更し、イラストレーターをよう太氏に替えて、MF文庫Jから『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』としてリメイク刊行されました。レーベルごと作品が一度消えた事実があるため、「打ち切り」という言葉がこの作品に結びつく下地は最初からあったことになります。

原作4巻、ミザリサとアリシアに詰まされたまま5巻が出ない

MF文庫J版はアニメ化の勢いに乗り、2020年8月から約1年で4巻まで刊行されました。しかし2021年7月21日の第4巻を最後に、新刊は出ていません。

問題は止まった場所です。第4巻の終盤では、ヒロにパーティを外されたことで精神を病んだミザリサと、怒りによって「帰ってきた地獄の果物ナイフ使い」に変貌したアリシアが再び敵として立ちはだかります。チェルシーの容赦ない借金取り立ても重なり、ゲーム攻略が完全に行き詰まった状態で刊行が途絶えています。

物語として最大の窮地にある場面で止まっているため、「収拾がつかなくなって打ち切られた」と読まれやすい構図です。著者の土日月氏はX(旧Twitter)を更新していますが、5巻の発売日については2026年5月時点でも「未定」のままです。

漫画・アニメ・小説の刊行状況を並べると

メディア期間巻数・話数現在の状態
初期版小説(ノベルゼロ)2018年1月全1巻刊行停止(事実上の打ち切り)
現行版小説(MF文庫J)2020年8月~既刊4巻5巻未定、事実上の長期休載
漫画版2021年1月~2022年1月全2巻(全11話)完結扱い
テレビアニメ2021年4月~6月全12話放送終了、2期発表なし

漫画版は「完結」とされていますが、最後に描かれるのはヒロがマーチン殺害の容疑で逮捕され、牢獄に入れられる場面です。原作全体から見ると1巻の途中にあたり、物語としてはまだ何も始まっていないところで終わっています。アニメ化に合わせた短期連載として企画された可能性が高いものの、読者からすれば「不人気打ち切り」に見えても無理はありません。

アニメ最終話、テスラの裏切りと膝カックンで何が起きたか

打ち切り説が最も強く広まったのは、アニメ版の終わり方によるところが大きいです。

ヒロが完全敗北した最終回がなぜ打ち切りに見えるのか

アニメ版は全12話で原作1~2巻の「テッドの町」ゴブリン襲来編を描きました。最終話「リアル×VR」では、衛兵隊の隊長として信頼を寄せていたテスラが、町を治めるガバンと結託した黒幕だったことが判明します。

ヒロはテスラに一騎打ちを挑み、優勢に進めていました。ところが戦闘の最終盤で、ガバンによる「膝カックン」という理不尽な不意打ちを受けて崩れ、テスラに惨敗します。衛兵隊の仲間たちにも見捨てられ、テッドの町はクリアの糸口が見えないまま燃え盛り、主人公が完全に負けた状態で幕が下りました。

正直、ゲーム系ファンタジーアニメの最終回でここまでカタルシスのない終わり方は珍しいです。「2期で続きをやる前提」にしか見えない構成ですが、その2期は発表されていません。

2期の制作発表がないまま5年が過ぎている

アニメは2021年6月に放送を終えました。制作はENGIが担当しています。放送終了から5年近く経ちますが、第2期に関する公式発表は出ていません。

原作小説が4巻で止まっている以上、仮に2期を作るにしても映像化する原作ストックが足りません。加えて、第12話の終わり方が視聴者にとって強いストレスを残す内容だったことも、「不評で打ち切られた」という見方を後押ししています。ただし、制作中止や打ち切りを示す公式の発表はどこにもありません。原作の刊行が再開されない限り、2期の話が動く見込みは薄いのが実情です。

5巻もアニメ2期も「未定」のまま待つしかないのか

現時点で読者・視聴者にできることは限られます。

原作5巻の発売日はベルアラートなどの新刊通知サービスでも「未定」と表示されたままです。著者の土日月氏がXを更新している以上、完全に筆を折ったわけではないと見られますが、5巻について具体的な言及はありません。

アニメについても同様で、アニメイトタイムズの作品ページでは放送済みの全12話の情報が掲載されていますが、続編に関する記載はありません。Wikipediaの作品ページでも、各メディアの刊行・放送状況が時系列で確認できます。

この作品が「打ち切り」と検索され続ける最大の理由は、どのメディアも物語の途中で止まっていて、しかもその止まり方が全部きつい、という点に尽きます。テスラの裏切りで負けたまま終わるアニメ、ミザリサとアリシアに詰まされたまま出ない5巻、牢獄に入れられたところで閉じる漫画。公式に打ち切りと言われたことは一度もありませんが、待っている側からすれば、打ち切りとほとんど変わらない状態が続いています。

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