情報確認日:2026年5月17日。原作漫画第27巻までの内容とNetflixアニメ第2期までの情報に触れます。
『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』は打ち切りになった漫画ではありません。ただし、2010年の掲載を最後に商業誌での連載が止まり、2012年発売の第27巻を最後に単行本も出ていません。公式に「打ち切り」「連載終了」と発表された事実はなく、実態は無期限の長期休載です。
検索で「打ち切り」が出てくるのは、作品リストからの消去、編集部の沈黙、そして物語が明らかに途中で凍結している事実が重なっているためです。
- 集英社・萩原一至の双方から「打ち切り」「終了」の発表は出ていない
- 単行本27巻は物語の途中で刊行が止まっている
- 萩原氏は2023年時点でも連載再開の意志を表明している
単行本27巻は方舟墜落まで「あと1分52秒」という場面で止まっており、物語内時間にして2分足らずの猶予を残したまま12年以上が経過しています。打ち切りという言葉が浮かぶのは、不人気で終わったからではなく、あまりにも中途半端な場面で沈黙が始まったからです。
27巻の「あと1分52秒」で止まった連載
本作の連載史は、一般的な漫画のそれとは大きく異なります。1988年の『週刊少年ジャンプ』連載開始から、掲載媒体を4回変えています。
なぜ「打ち切り」と検索されるのか
打ち切りと誤認される直接の原因は3つあります。
- 2012年3月の第27巻を最後に、次巻の発売日が未定のまま止まっている
- 2020年に『ウルトラジャンプ』公式サイトの作品リストから名前が消えた
- 編集部・作者のいずれからも「休載中」の正式な告知が一度も出ていない
通常、長期休載の作品には「作者体調不良のため休載」などの案内が残ります。本作にはそれすらありません。2020年に『ウルトラジャンプ』公式サイトの作品リストから名前が消えたとき、編集部からも萩原氏からも説明は一切出なかった。読者が「連載枠そのものが消滅した」と受け取るのは、この沈黙の構造によるものです。
媒体を4回移り、最後は名前ごと消えた
連載媒体の変遷を時系列で整理します。
| 年 | 出来事 | 媒体 |
|---|---|---|
| 1988年 | 連載開始 | 週刊少年ジャンプ |
| 1989年 | 腰痛で中断 | 同上 |
| 1990年 | 増刊に移動し再開 | 週刊少年ジャンプ増刊(季刊) |
| 1997年 | 本誌に復帰 | 週刊少年ジャンプ(月1回掲載) |
| 2001年 | 月刊誌へ移籍 | ウルトラジャンプ |
| 2010年 | 6月号を最後に中断 | ウルトラジャンプ |
| 2020年 | 作品リストから消去 | — |
週刊連載を維持できなかった理由は、萩原氏の極端なまでの作画密度へのこだわりと腰痛です。1997年の本誌復帰時ですら「週刊誌で月1回掲載」という異例の措置が取られましたが、それでも落稿が続きました。
ウルトラジャンプに移ってからも鉛筆描きのまま掲載された回があり、商業漫画としての限界を示す時期でした。
萩原一至は漫画をやめたのか
結論から言えば、やめていません。ただし、活動の軸足は商業漫画からゲーム開発やデジタルアートへ移っています。
ゲーム開発に移った創作の軸足
2023年3月にサウザンドゲームズから発売されたハクスラRPG『QUESTER 〜失われた世界の真実を探究する物語〜』に、萩原氏は原案・キャラクターデザインとして参加しています。TV Bros.のインタビューでは、「魔法というテーマに飽きてしまった」と語り、ドラゴンや魔法を排除した退廃的なSF世界に強い魅力を感じていることを明かしました。
数十年間『BASTARD!!』で魔法世界を描き続けた人が、魔法に飽きたと言っている。連載が止まっている背景を考えるうえで、正直これはかなり重い発言です。
NFTアートにも参入しており、描き下ろし作品『ジョブ・ロード 宇宙飛行士』をリリースしています。同人活動も2017年まで継続が確認でき、作画モチベーション自体が消えたわけではありません。
2023年インタビュー「ネームに取り組んでいる」
NFTnaviの特別インタビューで、萩原氏は「ずっと地獄編の続きのネームに取り組んでいる」「作家としてのエネルギーはむしろ増えている」と発言しています。
ただし、この発言に具体的な発売時期や掲載媒体の情報は伴っていません。2010年から15年以上が経過しても28巻の刊行日は未定のままであり、再開時期を断定できる材料は現時点で存在しません。
Netflixアニメは続いているのに原作だけが止まっている
原作の沈黙とは対照的に、IPとしての展開は活発です。2022年にNetflixでアニメ第1期(全24話)、2023年に第2期が配信されました。
アニメ2期で「地獄の鎮魂歌編」まで映像化済み
アニメ版は初期エピソードから「地獄の鎮魂歌編」までをカバーしています。制作はライデンフィルム、監督は尾崎隆晴、シリーズ構成は黒田洋介が担当しました。原作の過激な描写をNetflixという媒体で再現する方向で制作されています。
ただし、アニメがカバーしているのは原作全体のうち前半部分にあたります。単行本で言えば10巻前後までの内容であり、20巻以降の天使・悪魔が入り乱れる展開や、27巻で止まった「魔力の刻印篇」には届いていません。
『ブレイド&バスタード』は別の作品
近年、「バスタード 新刊」「バスタード 2026年」で検索すると、蝸牛くも原作のダークファンタジー小説『ブレイド&バスタード』の情報がヒットすることがあります。Netflix版『BASTARD!!』の尾崎隆晴監督がアニメ版にも関わっているため親和性はありますが、萩原一至の原作漫画とは世界観もストーリーも別です。
「バスタードの未収録話が出た」という情報を見かけた場合は、この混同を疑った方がよいかもしれません。
本作は、打ち切られたのではなく、描き手の関心と肉体が商業漫画の週刊・月刊ペースに追いつかなくなった結果、止まっています。28巻が出るかどうかは萩原氏自身にしか分からない状態ですが、少なくとも「終わった作品」として扱われることを本人は望んでいません。

