『ラストエンブリオ』は打ち切りか、9巻はもう出ないのか

『ラストエンブリオ』は打ち切りか、9巻はもう出ないのか

情報確認日:2026年5月18日。角川スニーカー文庫公式サイトおよび著者・竜ノ湖太郎氏のnoteを主な情報源としています。第8巻『追想の問題児』までの内容に触れます。

『ラストエンブリオ』は、公式に打ち切りを宣告された作品ではありません。KADOKAWAからも著者からも、シリーズ終了や契約解消のアナウンスは一度も出ていません。

ただし、2020年7月発売の第8巻を最後に、9巻の発売予定が入らないまま6年近くが経過しています。噂が広がった背景には、主に3つの要因があります。

  1. 半年に1冊だった刊行ペースが、8巻を境に完全に止まった
  2. 著者・竜ノ湖太郎氏がTwitterを削除し、公式の発信ルートが途絶えた
  3. 8巻のラストが「第二回戦が幕を開ける」という導入部で途切れている

焔や十六夜たちが空白の3年間を語り合い、いよいよ本番が始まるというところでページが終わっている。その本番が、現実の時間でも6年近く始まっていません。

目次

「第二回戦が幕を開ける」で止まったまま

本作の公的なステータスは「打ち切り」でも「完結」でもなく、続刊未定の長期休載です。

打ち切りの公式発表はない

角川スニーカー文庫の公式商品ページには、第8巻『追想の問題児』が最新刊として登録されたまま残っています。絶版処分や電子書籍の配信停止といった動きはなく、全8巻が紙・電子ともに購入できる状態です。

「完結」のタグも付いていません。シリーズとしては継続中の扱いだが、新刊だけが止まっています。

半年に1冊が突然途切れた経緯

2015年6月の第1巻から2020年7月の第8巻まで、本作はおおむね半年に1冊のペースで刊行が続いていました。ライトノベルとしては安定した頻度です。

新刊スケジュールを記録する「ラノベ新刊アラート」でも、第9巻は「発売日未定」のまま何年も更新が止まっています。安定していたペースが前触れなく途絶えたことが、打ち切りを疑う最初の理由になっています。

しかも8巻の終わり方が、この不安を強くしています。第二次太陽主権戦争の第一回戦を突破した直後、焔たちが束の間の休息を過ごし、第二回戦の招待状が動き出す場面でページが終わる。疑似創星図(コードアンノウン)の全容も、アヴァターラとの決着も、すべて手つかずのまま凍結しています。

噂はどこから広がったのか

読者が引っかかる点打ち切りに見える理由確認できる事実
著者のTwitterが消えた活動停止・引退と受け取られたnoteに移行し「漂流日記」を継続中
海外フォーラムの「編集部と衝突」説制作トラブルで関係が破綻したとされた当事者からの公式発言や告発はなし
著者の病気・死亡説長期の音信不通で過激なデマが広がったnoteで新作投稿やネーム練習を報告

海外コミュニティで「編集者の過失により著者が心身を崩した」という説が語られ、日本語圏にも逆輸入されました。ただし、著者による告発も出版社の公式コメントもなく、裏付けとなる公的記録は存在しません。

病気説については、漫画『ノラガミ』の作者ががん闘病で長期休載に入った実話が、同じく長期休載中の竜ノ湖太郎氏に誤って結びつけられたケースがあります。作品も作者もまったく別です。

竜ノ湖太郎がスニーカー文庫を離れた事情

9巻が出ない背景には、著者自身の創作活動の転換があります。

noteで明かされた「ジャンプ系列への5年間」

竜ノ湖太郎氏はTwitterを閉鎖したのち、note(atusi_tamura名義)を開設しました。「漂流作家」と名乗りながら、休載中の5年間を集英社のジャンプ系列への挑戦に費やしていたことを自ら公表しています。

JUMP j BOOKS新人賞で最終候補まで進んだものの落選した経緯や、note創作大賞への応募、コミック絵コンテ作成ソフト「world maker β」でのネーム練習など、執筆の軸足がスニーカー文庫から離れていた過程が詳しく書かれています。「人生一度きり」という言葉とともに、愛好するジャンプ系列への参入を優先した判断が語られていました。

問題児シリーズが休載中であることは本人も認識しており、Twitterの削除についても「新体制で作品を発表できたら復帰したい」と述べています。引退ではなく、発信の場をnoteに絞っただけです。

9巻が出る条件はあるのか

KADOKAWAが本シリーズの権利を回収した、あるいは契約を解消したという公式情報はありません。商品ページにシリーズが残っている以上、形式的には続刊の余地があります。

ただし、著者のジャンプ系列への挑戦が続いている間は、スニーカー文庫への回帰は見込みにくい状況です。正直なところ、8巻のあの終わり方で6年待たされている読者が「もう打ち切りだろう」と感じるのは、無理もない話だと思います。

公式に終わった作品ではないが、再開の具体的な日付も出ていない。いま確かなのは、著者が執筆そのものを止めた人ではないということと、止まっているのはスニーカー文庫での活動だけだということです。

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