『CITY』は打ち切りだったのか?二度の完結とアニメ最終回の爆発を振り返る

『CITY』は打ち切りだったのか?二度の完結とアニメ最終回の爆発を振り返る

あらゐけいいちの漫画『CITY』は、打ち切りで終わった作品ではありません。全15巻、連載期間は約4年半+完結編。講談社の『モーニング』で2016年に始まり、2021年に一度完結したあと、2024年末に連載を再開し、2025年に二度目の完結を迎えています。

ただ、「打ち切り」と検索されるのにはそれなりの経緯があります。13巻で一冊まるごと市長選挙編として群像劇の決着をつけた直後に完結を宣言し、約半年後に『日常』が別誌で再開されたことが、入れ替えの構図に見えました。さらに、アニメの最終回も普通の終わり方ではなかった。

この記事では、時系列を整理しながら「なぜ打ち切りに見えるのか」の部分を掘り下げます。

目次

一度終わって、また終わった。『CITY』が辿った少し変わった完結

本作の完結は1回ではなく、2回あります。しかも間に3年半の空白がある、かなり珍しい形です。

13巻と15巻、完結が2回ある理由

2021年2月、『モーニング』2021年10号で連載が終了し、同年4月に単行本13巻が発売されました。この13巻は一冊まるごと「CITY市長選挙編」にあてられており、南雲美鳥を中心とした登場人物たちの群像劇にひとつの区切りがつく内容です。完結を記念したオンラインサイン会も開催されており、出版社側も「完結作」として送り出しています。

その後、2024年9月に京都アニメーション制作でのアニメ化が発表され、同年12月から『モーニング』で連載が再開。2025年10月に再び連載が終了し、12月23日に最終15巻が発売されました。電撃オンラインの報道では「ガールズ・ラン・コメディ、コミックス2度目の完結へ」と見出しがつけられています。

公式が「二度目の完結」と明言していること自体が、この作品の経緯が普通ではなかったことを示しています。

連載開始から最終巻までの流れ

年月出来事
2016年9月『モーニング』で連載開始
2021年2月第1期連載終了(13巻で一旦完結)
2021年10月『日常』が月刊少年エースで連載再開
2024年9月京都アニメーション制作でアニメ化発表
2024年12月第2期連載開始
2025年7月アニメ放送・配信開始
2025年10月第2期連載終了(15巻で完結)
2025年12月最終15巻発売

「打ち切り」と検索される背景にあるもの

公式に打ち切りと発表された事実はありません。では、なぜこの言葉がここまで定着したのか。原因は主に2つあります。

『日常』再開と重なったタイミング

2021年に『CITY』が完結し、同年10月にはあらゐけいいちの代表作『日常』が月刊少年エースで連載を再開しています。この流れを見ると、「出版社がより知名度の高い『日常』を再開させるために『CITY』を終わらせたのではないか」という構図が浮かびます。

実際には、あらゐ氏は『日常』の再開について「描きたくなっちゃったので」と語っています。編集部主導で入れ替えたことを示す公式情報はなく、『CITY』の連載終了が不本意なものだったという根拠もありません。ただ、タイミングの近さが憶測を呼んだのは事実です。

アニメ最終回の爆発は何だったのか

アニメ『CITY THE ANIMATION』は全13話で、京都アニメーションが制作しました。2025年7月からPrime Videoでの独占配信を含む形で放送され、同年10月に最終回を迎えています。

問題はその最終話です。アニメ第13話では、タイムマシンに乗った登場人物たちが正座のまま空に散っていくという、あらゐけいいち作品の不条理ギャグをそのまま最終回にしたような結末が描かれました。原作にはないアニメオリジナルの展開です。

この「爆発オチ」は、漫画の世界で作品を投げ出して終わらせる際のパロディとしても知られる手法に見えるため、「制作トラブルがあって打ち切り同然で終わったのでは」という憶測が広がりました。しかし、作者本人はアニメの制作過程を「青春だった」と振り返っており、意図的な演出だったと考えるのが妥当です。爆発のなかでも、プロペラがイギリスへ向かうえっちゃんのもとに届くカットなど、キャラクター同士のつながりを残す描写は入っています。

初見では、正直あの終わり方で納得できる人の方が少ない気がします。

アニメ2期や続編の予定はあるか

2026年5月時点で、漫画の続編(16巻以降)やアニメ第2期に関する公式発表はありません。単行本は全15巻で完結し、アニメも全13話で放送を終えています。

あらゐけいいちは現在、『月刊少年エース』で『日常』、『月刊ニュータイプ』で『雨宮さん』の連載を続けています。作品間のキャラクターが背景に登場するクロスオーバーはこれまでもあったため、「CITY」の世界が別作品に顔を出す可能性は残りますが、『CITY』そのものの定期連載やアニメの新シーズンは予定されていません。

「打ち切り」という検索ワードは、作品が不遇だったことを意味しているわけではなく、二度の完結という変則的な経緯と、あの爆発オチへの戸惑いが重なって定着した言葉です。漫画もアニメもすべて完結済みなので、気になる人はアニメ公式サイトで放送情報を確認したうえで、15巻まで通して読んでみてください。

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