学園アリスは打ち切りではない。それでも「打ち切り」と検索される理由

学園アリスは打ち切りではない。それでも「打ち切り」と検索される理由

『学園アリス』は2013年に全31巻で完結した作品です。花とゆめ14号に掲載された最終回は巻頭カラー70ページという扱いで、連載を途中で切られた作品の終わり方ではありません。完結記念のサイン会が全国3都市で開かれ、単行本も29〜31巻が3ヶ月連続で刊行されています。

それでも「打ち切り」と検索されるのは、最終回の内容に原因があります。蛍が棗を救うために時間を遡り、その代償として歴史から存在ごと消えるという展開が、最終話まで回収されないまま物語が閉じるからです。

原作者の樋口橘は存命で、完結後もスピンオフの連載を行っています。

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蛍が帰ってこないまま終わるから「打ち切り」に見える

「打ち切り」と検索される理由は、人気の低迷でも編集部の判断でもなく、物語のラストそのものにあります。

最終回で蜜柑と蛍に何が起きたか

最終回では、アリスを失った蜜柑が学園の規則で外部に追放されます。このとき全校生徒から蜜柑に関する記憶が消去されるという、少女漫画としてはかなり重い処理が入ります。

5年後、16歳になった蜜柑の前に棗とルカが現れ、アリス石のかけらによって記憶の一部が戻ります。蜜柑は「準アリス」として学園に戻りますが、蛍と兄の昴は時空の狭間を彷徨ったままです。蜜柑たちが蛍を探す旅に出る決意を固めたところで、物語は終わります。

成長した蜜柑と棗が結ばれることを示唆する描写はあるものの、蛍との再会は描かれません。この一点が「まだ続きがあるはず」という感覚を生んでいます。

アニメ版が4巻分で止まっていること

2004年にNHK衛星第2で放送されたアニメは全26話で、原作の序盤、単行本4巻程度の内容で終わっています。原作はここから7年以上連載が続き、蜜柑たちの物語は大きく展開していきますが、アニメではその先が映像化されていません。

アニメの終了から原作の完結までに8年の開きがあります。この間にアニメだけを見た層が「途中で終わった作品」という印象を持ち、ネット上の断片的な情報と結びついて「打ち切り」という言葉に変換された面があります。なお、制作会社のグループ・タックはその後解散しており、アニメ2期の制作は現時点で発表されていません。

『学園黙示録』の作者死去と混ざっている話

「学園」をタイトルに含む別作品『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』は、原作者の佐藤大輔が2017年に逝去し、未完のまま終わっています。この作品のニュースが「学園アリス」の検索結果に混ざり、「作者が亡くなって続きが描けなくなった」という誤った情報が一部で定着しました。

樋口橘は『学園アリス』完結後にスピンオフ『歌劇の国のアリス』を連載しており、死去の事実はありません。

11年の連載はどう閉じたのか

2002年から2013年まで、花とゆめで11年間連載が続きました。打ち切りを示す公式発表や報道は一切なく、コミックナタリーの報道でも「11年の連載に幕」と伝えられています。

連載開始から完結までの時系列

年月出来事
2002年10月花とゆめ19号で連載開始
2004年10月NHK衛星第2でアニメ放送開始(全26話)
2005年5月アニメ放送終了
2013年6月花とゆめ14号で最終回(巻頭カラー70P)
2013年7月〜9月単行本29〜31巻を3ヶ月連続刊行
2016年3月スピンオフ『歌劇の国のアリス』連載開始
2017年『歌劇の国のアリス』全3巻で完結

スピンオフ『歌劇の国のアリス』で描かれたこと、描かれなかったこと

2016年から花とゆめで連載されたスピンオフは、翼の妹を主人公に据えた作品で、本編キャラクターも登場します。蜜柑や棗のその後に触れる場面はありますが、蛍が時空の狭間から戻ったかどうかは、ここでも明かされていません。

全3巻という巻数は本編の31巻と比べると短く、これを「打ち切りの予兆」と受け取る人もいます。ただ、作者の柱コメントに制作上の苦労をにおわせる記述があった程度で、編集部との対立を裏付ける具体的な情報は出ていません。

正直なところ、蛍の行方が宙に浮いたまま作品世界全体が閉じている以上、「完結」と聞いても腑に落ちない気持ちはわかります。ただ、11年間の連載を巻頭カラー70ページで締めくくった作品を、打ち切りと呼ぶのは無理があります。配信版の漫画は各電子書籍サービスで「完結」として全31巻が配信中です。蛍のその後が気になる人は、まずスピンオフを読んでから判断しても遅くはないはずです。

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